夏の電気代、その半分以上がエアコンでした。
ご家庭の電力データを分析した結果、特に暑い8月には、総消費電力の57%がエアコンによるものと判明しました。このページでは、その詳細と、賢い節約術をインタラクティブに解説します。
2024年8月の電力消費内訳
浮かび上がる夏の電力消費の「山」
1年間の電力消費量と名古屋の月平均気温を重ねると、気温の上昇と共に電力消費が急増する様子が明確にわかります。特に7月と8月の突出が顕著です。
消費電力増加の「犯人」は？
この夏の電力消費の山は、何によって引き起こされているのでしょうか。データを詳細に分析すると、外気温が約25℃を超えたあたりから、電力消費が急激に増加する傾向が見られます。これは、エアコンが稼働を開始する「スイッチ」となっていることを示唆しています。春や秋など、エアコンを使わない時期の消費量（ベースロード）を差し引くことで、純粋なエアコンの消費電力をあぶり出すことができます。
エアコンの電気代が「割高」になる理由
ご契約の「従量電灯B」プランは、電気を使うほど単価が上がる3段階料金です。ご家庭の基本消費（ベースロード）で安い第1・第2段階はほぼ使い切ってしまうため、エアコンの消費電力は、最も単価の高い「第3段階料金」で計算されます。これが、夏の電気代が大きく跳ね上がる要因です。
2024年8月の料金内訳シミュレーション
コストの増幅効果
グラフが示すように、エアコンの消費量（オレンジのバー）は、その大部分が最も高価な料金（Tier 3）で課金されています。
消費量では全体の57%でも、料金への影響はそれ以上に大きいのです。つまり、エアコンの1kWhは、他の家電の1kWhよりも「高価」であると言えます。
気温1℃の値段は？
気温が上がればエアコンの負担が増え、電気代も上がります。では、「1℃の上昇」は具体的にいくらのコストになるのでしょうか。下のスライダーを動かして、気温ごとの追加コストを体感してください。
1日の追加電気料金は...
約 30.9 円
猛暑になるほど、1℃の価値はさらに高まります。
明日からできる、賢い節約術
分析結果から見えてきた、効果的なコスト削減アクションをご紹介します。
戦略的な温度設定
設定温度を1℃上げるだけで、冷房費用は月あたり約1,500円〜2,000円も削減できる可能性があります。無理のない範囲で、少し高めの温度設定を心がけましょう。
タイマーの活用
就寝時にオフタイマーを活用し、運転時間を毎晩2時間短縮するだけで、月あたり約800円〜1,200円の節約に。睡眠中の冷やしすぎも防げます。
日中の熱負荷管理
日差しが強い時間帯は、遮光カーテンやブラインドを閉めるだけでエアコンの負荷が大きく変わります。室内に熱を入れない工夫が、消費電力の抑制に直結します。